如月さんの指記

2月から始めた、手記ではなくて指記。スマホで書くから。

いくつの会議ですか?(七つの会議)

七つの会議を観た。正直に言うと日曜劇場で充分だ。映画館で観なくていい。せっかく映画でやるならば、会議室の描写を細かく、いろんなアングルから、舐めるように動けばいいと思ってしまった。私の発想がもしかしたら貧弱なのかもしれないので、私の意見などどうでも良いでしょう。

七つの、と言うからには一つひとつの会議の重要性はバッチリ区切られて、重要そうにクローズアップされているのだろうと思ったのだが、そうでもなかった。むしろタイトルコールしていただかなければ会議の数など覚えていない。そうですか、7回会議があったのですね。一、二、三、…と各会議の前にナンバリングしてくれれば、それぞれの会議の重要性だとか、緊張感が出るのにな、と感じた。これは旧世代的な発想なのか?やってみたら安っちくなってしまうのかもしれない。

しかしながら、会社を江戸時代等の藩と例える発想はとても良かったと思う。会社のために命を張ってしまう、いかなる虚偽も働いてしまうのは、藩に忠誠を誓う武士の性質が、現代にまで染み付いて取れないようなものだという。そういえば、中学生の時に『乱』と『戦い』の違いを教わった。乱というのは歴史的、後世的には敗者が、その争いにおいては勝ちを収めることで、戦いというのは逆に、勝者が勝ちを収めるもののことを指すのだという。今更歴史のテストを受けるわけではないので、豆知識程度のものなのだが。

ともあれ、藩のためなら冷静に考えればいけないことを、仕方なしにとやってしまう日本人の性を淡々と語るシーンでは、私は真珠湾攻撃のことをふと思い浮かべてしまった。戦争にも幾らかのルールというものがあって、襲撃や戦闘はあらかじめ号令をかけて行わなければならないのに、その前触れもなしに攻撃を仕掛けてしまったということである。私はその時代に生きた人間ではないが、アメリカの高層ビルにテロリストが飛行機で突っ込んだ事件を「パールハーバー・アゲイン」と報道されたことは知っている。テロに日本が関与していなくとも、そう表記してしまうほどのショッキングな出来事だったのだろうと、想像ができてしまう。

最後の締めくくりには、世の不正は無くならないが、子どもに言い聞かせるように、何度も何度も繰り返し「ダメなことはダメ」と言い聞かせる必要があるとまとめた。会社組織よりも強い力が働くことはないかもしれないが、繰り返しの日々の中でチョン、チョン…と、サブリミナル効果的に刷り込んでいけば、もしかしたら不正行為は減っていくのかもしれない。

こう推察するに至るあたり、社会性のあるいい映画だったのかもしれない。