如月さんの指記

2月から始めた、手記ではなくて指記。スマホで書くから。

ファッションは寒い

女子高生はスカートと靴下の間に何か着けているのか?と聞かれた。質問の意味がわからない。見ればわかるでしょう。着けていない。

今時の高校生のことはよくわからない。もしかしたら今期のトレンドが、ハイソックス、のように見えるタイツという場合もある。いやまあそうでなくても、昔から黒タイツを履く層は一定数いた。今も当然のように見かける。

しかしながら、女子高生の基本は制服のスカートにハイソックスだ。学校指定によってスカートの長さが膝丈、膝上○センチメートル、膝下○センチメートル、靴下の丈指定、色指定などあるが。

私の通っていた学校には、そもそも指定制服がなかった。というのも、五年制の学校であり、四年生以降が制服を着ることになれば、指定だったとしてもコスプレ感が否めず辱めを受けることになるので、多感な時期の女子にそれを強要する必要はなかったのだ。しかし先人たちは、三年生までの制服的な何かがないのも、それはそれで困ったため、こんなのもサンプル的に作りました、と、指定「じゃない」制服を用意してくれていた。

しかし、私はそれを買わなかった。その制服が膝丈だったため「ダサい」と判断したのだ。また、膝丈のスカートというのは靴下にハイソックス以外の靴下の余地が与えられず、ニーソックスを用いるとダサさが増すという懸念があった。それらの意見に、割とモダンなギャル思考な母も賛同した。私はプレイボーイやセシルマクビーで、制服っぽいスカートやブレザー、シャツを購入した。

結局その後、身長の低い先輩から指定「じゃない」制服のお古をいただいたのだが、それを受け取った理由は、先輩の身長に合わせたスカートゆえに、膝丈ではなく膝上ミニスカートになっていたから、ニーソックスを履く余地が生まれたためである。結構そのスカートというのは、先人たちが知恵を集めて考案したものだけあって、主張は少ないがダサくはないデザインであったので、三年生が終わるまで重宝した。

結局、制服が膝上15センチ以上のミニスカートである場合ならば、ニーソックスを履く猶予を与えられるということが喜ばしかった。女子高生に絶対必要だと当時考えていたのが絶対領域。それを創造するためには、スカートと靴下の間の空間は必須となる。そしてスカートというのは、その性質上、下から吹く風に無防備である。できればニーソックスを着用したい。しかしハイソックスこそ高校制服のロマンであるということも否めない。私は誰から与えられたものでもない義務感を背に、あの三年間は、黒オア紺ハイソックス×膝上スカート、寒すぎて滅びそうな日はニーソックス、というスタイルを貫いた。太ももが真っ赤になるほど冷えて痛い日もあったが、それが怪我の功名となり、1人でも多くの男子諸君に潤いを与えられていたならば幸福に思う。